SNS、動画プラットフォームなど、新しいサービスが次々と生まれる現代において欠かせない職業「Webデザイナー」。常に需要が高く、その分目指す人も多いが、経験が物を言う世界のため、あとから始めれば始めるほど、良い企業や大きなプロジェクトにジョインするのはハードルが高くなる。
そんな中、DTPデザイナーから未経験のWebデザイナーとして、大手ゲーム会社のプロジェクトに関わるのが、EMIKO.Oだ。学生時代、新卒、そしてONにジョインするまで、どんな道のりを歩んできたのか語ってもらった。
ずっと「デザイン」の仕事に憧れていた
学生の頃から、「デザインされたもの」に惹かれていた。いつしか、それが「将来やりたい仕事」になっていた。
「中学生ぐらいから、イラストを書いたりだとか、『綺麗に文字を書く』とか、情報を綺麗に整理しておしゃれに見せることがとにかく好きでした。高校生のときには、フリーフォントをひたすら集めることをしていて、使い道もないのに『かわいいな』ってずっと眺めていました(笑)。でも、これを仕事で使えたらいいなって思った時、『デザイナーになったら使えるじゃん』って」
大学では教育学部に入っていたが、所属していたオーケストラサークルでは、演奏会のフライヤー、パンフレットのデザインを担当。熱意は全く失われていなかった。
「やっぱりデザインに関わる仕事がしたくて、新卒で入社した会社では約3年間、DTPオペレーターとして働いていました。大量生産をするような場所ではなくて、デザイナーさんがコンテストとかに出品するような作品の印刷だったりとか、一点物を印刷する会社だったので、クリエイティブを刺激されることも多かったですね」
新卒3年間で学んだことは予想以上に大きい。デザインスキルだけではなく、デザインに関わることを幅広く身に着けていった。
「ある程度1人で仕事がこなせるようになってきたし、印刷業務だったりDTP業務の他にも商品開発の業務をさせていただく機会があったんです。そこで、商品企画から設計デザインまでやらせてもらって、だんだんと自信がついて、『次に行こう』みたいな気持ちが芽生えてきました。個人でもデザインの仕事を請け負うようになったのも転職の後押しになりましたね」
ONの「挑戦的な企業理念」に目が止まった
これまでの経験、個人のポートフォリオも評価され、転職活動は比較的すんなり進んだ。だが、どこか決めきれない自分もいた。
「広告などを扱うデザインの事務所から内定はいただけたんですけれど、労働環境的にも厳しい感じがあって、正直ちょっと怖いな……と。体力を削って、無理して仕事をしても結局続かないとはわかっていたので」
引き続き転職サイトを見ていた時に、ONの採用募集を知った。
「ホームページを見たときに、サイト自体も格好良かったんですが、企業理念に『新しいことをやろうよ』みたいなチャレンジングなことが書いてあって、それも良いなと思ったんです。あと、私がゲームが好きで、ONがゲームコミュニティを共同運営しているっていうことを知って、それも大きかったですね」
彼女の意気込み、伸びしろを考え、ジョイン後すぐに、大手ゲーム会社のプロジェクトが決定。それも、未経験だった「Webデザイナー」としてのアサインだ。
「驚きましたし、理想的な環境でした。早々にイベントやキャンペーンの特設サイトを作ることになって、不安な部分もあったんですけど、Photoshopを中心にこれまでやってきたことを活かせるプロジェクトだったので、それなりにスムーズにできています」
もちろん、課題をクリアにするために自己学習は欠かさない。
「Webの経験がほぼない状態で入ったので、『そもそもWebサイトってこういうもんだよね』っていうのをつかむために、本当にいろんなWebサイトを参考にしましたね。雛形はどんな種類があるのか、ユーザーが回遊しやすいのはどういうものかとか」
未経験でもチャレンジできる。そんな環境がONには用意されている
さらに手助けとなったのが、ONにジョインしてから出た“課題”だ。これまでも、職種未経験のメンバーが何人も入社しているため、基礎的なことを学べる環境が用意されている。
「WordPressで、Webサイトのトレースなどをやらせてもらったおかげで、基本的なコーディングとか運用の知識みたいなものは得られたと思います。いきなり大手ゲーム会社に行って『はい、やってください』となるのでは大きく違いますね」
現在はWebデザイナーとしての職に就くEMIKO.Oだが、実は当初グラフィックデザインの業務を志望していたという。
「面接のとき、ONの方にそう伝えたら『Webデザイナーとしての道を行ったほうが、これからのキャリアで有利になるよ』とアドバイスをもらったんです。そもそも、自分でもどんなことをしていけばいいか、はっきり決めきってなかったこともあったので、それならお任せしようと。結果、その選択は間違ってなかったです」
今後、彼女はどういった道のりを歩もうと考えているのだろうか。
「ざっくりですけど、もっと『大きいことをやりたい』とは考えています。いま担当させてもらっている特設サイトのお仕事って世に名前が出ないんですね。ゲームやアニメの制作のお仕事だと、スタッフロールに名前が乗るので、いつか私もそうなりたいなって。あと、同じWebチームで働いてる方がアニメのロゴを作っていて、作品の看板になるような仕事を任されるデザイナーになりたいです」
ゲームやアニメはさまざまなチームと連携して作る以上、夜遅くまで作業が終わらないこともある。それでも「いま仕事が楽しい」と言い切る。
「やっぱり好きで選んだ仕事なので、Photoshop、Illustratorを使ってデザインに触ってると時間を忘れますね。それに、大型IPのゲームに関わらせてもらっているので、公開されたあとのユーザーの反応も大きくやりがいがあります」
「人生を左右することなので、“自分の好きなこと”は明確に持っていたほうがいいと思いますね」と、キャリアを切り拓いている彼女の言葉に、説得力を感じた次第だ。